4.論文の執筆要領

1.論文は、日本語ワープロを用い、冊子の形で提出すること。

(1)1頁は、原則として、A4の大きさで縦置きとし、余白は上下左右各3cm前後をとり横書き片面印刷とするが、縦書きや両面印刷でもよい。文字は明朝体12ポイント以上、1頁の文字数は、横書きの場合35字×28行あたりを普通とする。いずれも執筆者の美意識にゆだねるが、読みやすいことが大切で、あまり、つめこまない方がよい。

(2)論文本体は、通しで頁付けをして冊子の体裁にすること。卒業論文・修士論文は、綴じ方は問わないが、表裏表紙に厚紙を使用する等の工夫をして、扱いやすく読みやすいようにすること。博士論文は、合格した場合、国会図書館等に保存されるので、業者製本にして、表紙と背表紙に題目と氏名を印字したものを提出すること。

(3)論文の枚数は、テーマによって異同があり、上限下限の制限枚数は設けない。強いて普通の場合の枚数を最近の例からみた目安であげておくと、400字詰原稿用紙換算で、卒業論文50枚、修士100~200枚、課程博士500枚、論文博士800枚というような数字があげられる。

(4)論文の部数は、審査の都合上、卒業論文では2部、修士論文では少なくとも3部、博士論文では5部、同一のものを作成すること(受付へは、卒論・修論は1部、博士論文は4部を提出する)。


2.論文内の体裁は、「題目」、「目次」、「本文」、「注」、「文献表」の順とする。学術書の一般的な形式に則るものとする。論文の最初と最後には白紙を一枚づつ挿入し、題目の頁には同時に氏名(と学籍番号)を記入すること。頁づけは、目次からはじめ、目次までを別としてもよいし、目次から最後の文献表までを通し番号としてもよい。
卒業論文には要約は不要だが、修士論文には、800字程度の「要約」を、博士論文にも決められている字数の要約を添えること。

3.「題目」は,学生係(博士論文は庶務係)に提出したものと同一でなければならない。ただし「副題」は、論文提出時にこれを付け加えることができる。

4.「目次」は,論文全体の目次とし、「序(序文、はしがき)」から始まり、各「章」「結論(結語、結び)」、「注」、「文献表」のそれぞれについて、さらに、各章を節に分けるときには、節についても、すべて頁を記すこと。

5.「本文」は、「序」、複数の「章」、「結び」等の全体を含む。「章」の中をさらに、「節」等に分けて論述してもよい。
引用文は「  」の中に入れ、数行以上になる場合は、行を改め左端を1,2字分あける等、本文との区別をはっきりさせること。引用文の出典については、引用文の後か、注において、これを明示し、原典を翻訳して引用する場合、その個所の原典テキストの全文を本文中か脚注に挙げておくこと。学部の卒業論文も可能なかぎり、翻訳ではなく、原典に拠るように努力すること。原典の言葉を明確にさせた方がよい翻訳キーワードには、引用文に限らず、たとえば「存在(Wesen)の創生」のように、元の言葉を適宜挿入しておくこと。

6.「注」は、本文中各頁の末尾に脚注の形で置いてよい。そうでない場合は、本文中に番号を付して、本文全体の後に置く。なお、全体を、通し番号にしても、章ごとに番号を付けてもよい。章ごとに番号を付ける場合は、「章」を明記して注を置くこと。頻繁に引用する文献に関しては、注記する最初のところに、当該文献の詳細(8.の「出典の表記」に従った詳細とする)を示したあとに、「以下、OOと略記する」として、二回目以降はその略号とページ数を( )内にいれて本文中に挿入する等の工夫をすること。なお、「目次」の前か後に、「凡例」の頁を設けて、頻用の文献の詳細とその略号、さらに論文全般にわたるその他の注意事項をまとめてあげておくのもよい方法である。

7.「文献表」は、参照した一切の文献を掲げる。なお、主な研究対象としたテクスト(第一次文献)とそのテクストに関する研究書・論文の類(第二次文献)に分けることが望ましい。  各文献の表記は、8の「出典の表記」に準じて行なうが、著者名は、姓名を名・姓の順にする言語の場合でも、姓,名の順とする。例えば、注記等では、K. Marx, Das Kapital.となるが、文献表では、Marx, K., Das Kapital.とする。

8.出典の表記は、単行本の場合は、
 1:著者名、2:書名、3:校訂者名、4:巻数、5:版数、6:発行地、7:出版社名、8:初版発行年、9:発行年、10:頁の順とする。3、 4、5、6、8は必要に応じて表記する。

編者・共著者の場合は、1:著者名のところで名前のあとに「編」とか「共著」といれ、編集しかつ著述の分担もしている場合は、「編著」とする。分担執筆者の場合、つぎの雑誌掲載論文の表記に準じる。

書名は、和書では『  』にいれ、洋書ではイタリックにするか、“ ”など、その原典にふさわしい表記をすること。
頁表記は、和書の場合、「00頁」とか「00ページ」で、英語フランス語は、「p.00」で、ドイツ語の場合「S.00」で表す。引用個所が複数頁になる場合は、「00頁以下」とか「pp.23~34」とか「S.23f.」、3ページ以上の場合「S.23ff.」等にする。同じものの繰り返しは、「同上」とか「ibid.」「a.a.O.」等として省略してかまわないが、間をおいての繰り返しでは、『同上書』等とせず、著者名、書名、頁ぐらいを略記する方がよい。「 」をつけた引用ではなく、その個所を単に参照するのみの場合は、参照(cf. あるいはVgl.)とする。翻訳書のあるものは、それを後に付記して参照の役に立てられるようにしてもよい。例えば、

17)岡本一郎『犯罪と芸術―カラヴァッジオの研究』 第四書房 平成32年 45頁
18)岡本次郎・北島四郎共編著『哲学者たちの起床時間に関する総合的研究』 諧謔書房 2013年 645頁以下 参照
19)W.K.C.Guthrie, A History of Greek Philosophy. Vol.I, Cambridge, 1962, p.45.(ガスリー『ギリシア哲学史』 鈴木一郎訳 上巻 東京誤訳出版 平成14年 55頁)
20)Cf. ibid., pp.23~26.(同上32~35頁) 
21)Ibid., p.36.(同上46頁) 
22)岡本一郎『犯罪と芸術』 241頁
23)同上  31頁
24)W.K.C.Guthrie, A History of Greek Philosophy. p.46.(『ギリシア哲学史』55頁)


雑誌掲載論文の場合は、
1:著者名、2:論文名(3:雑誌名、4:発行団体、5:巻数、6:発行年、7:頁数)の順とする。論文名は、「 」で示す。書名及び雑誌名は、和書では『  』、洋書ではイタリックあるいは“  ”等で表示すること。例えば、


41)岡本三郎「満腹は、快楽か」(『倫理学研究』 廣嶋大学倫理学研究会 第7巻 2011年 35ページ)
42)岡本四郎「石川五右衛門も長命だった」(鏡山三四郎先生米寿祝賀会編『悪人はどうしてこうも長生きなのか』 短命書店 平成13年 342~345ページ 参照)
43)H.Maier, Die Echtheit der Aristotelischen Hermeneutik. (Archiv fur Geschichte der Philosophie. Bd.13. 1899. S.35.)
44)Vgl. a.a.O., S.35ff. 
45)岡本三郎「満腹は、快楽か」(『倫理学研究』第7巻 35ページ以下) 参照


CD-ROMその他の情報媒体による場合は、確認・再利用の便利を考えて典拠を明記しておくこと。冊子のあるものは、それによって出典を示し、冊子によることが困難な場合に限りCD-ROM等で示すものとする。インターネットやテレビの場合、コピーをとり、典拠の明確化のために、接続の日時等を明記すること。例えば、


51)「しんじつ」検索該当項目133件 (電子ブック版 『浄土真宗聖典』 本願寺出版社YRRS-225) 参照 
52)相川吾一「どうして私はこんなに真面目なのか」§16(インターネット『相川吾一』個人頁 URL=http://yamamoto.or.jp/aikawa/maji.html アクセス=2003年4月1日17:30)
53) RJJ西広島テレビ制作「南広島を豪州に建設」(東広島ケーブルテレビ第34チャンネル 2009年6月8日18:15~18:45放映)参照


(注意)
学生係が提出期限を過ぎて論文題目を受け付けることはありえない。各自で期限を確かめ注意すること。論文提出期限も同様に厳格である。遅れた場合、一年を待たず約半年後に提出し卒業する制度(いわゆる十月卒業)があるので、それに向けて準備するとよい。なお、4年次において、卒業論文の受講登録を忘れないようにすること。これが登録されていないと、かりに論文が合格となっても、卒業は認定されない。

平成13年5月現在、論文題目提出期限は、10月末日(十月卒業の場合は、5月末日)
論文提出期限については、卒業論文1月31日、修士論文1月10日になっている(十月卒業の場合は、卒業論文8月末日、修士論文7月末日)。

博士論文は、博士課程3年の場合、論文提出期限は修了予定年度の10月末(主指導教官にはその前月)になるが、それ以降の者は、出来上がりしだい随時これを提出することができる。課程博士の論文は、博士課程後期の修業年限内であれば、これを提出することができる。以後は、論文博士の範疇に入ることとなる。論文博士の論文は、大学の卒業者で6年以上、修士4年以上そうでないものは10年以上の各研究歴があるもので、審査を引き受ける教授があり、能力があると教授会で判定されたものは、誰でもこれを提出することができる。

さらに修士論文・博士論文については、提出後、論文審査委員会の指定する日に口頭試問を行なうので、その準備をしておく必要がある。論文博士では、論文に使用した主たる外国語以外での語学試験(ドイツの思想を論文にした者なら、たとえば英語)も同時に行なわれることになる。

なお、広島大学文学部細則、広島大学大学院文学研究科細則と同運用方針、広島大学学位規定文学研究科内規等を参照のこと。また年度ごとに提出方法等は異なっていくので、各自でその年度の様式を確認しておくこと。いうまでもないが、これらの細則や内規等が、本「諸注意」に優先する。                        

以上