祝・倫理学研究室の学生が卒論優秀者に選ばれました!!
2021.02.23
こんにちは!倫理学研究室のブログ担当、M1の百井拓未です!
2021年2月17日(水)、広島大学文学部では「卒業論文優秀者発表会」が開かれました。この会は、文学部に所属する学生が執筆した卒業論文のうち、特に優秀だと認められた卒業論文およびその執筆者を表彰するというものです。
そして…、、、今回…、、、
倫理学研究室の学生M.U.さんが優秀者に選ばれました!!!すごい!!!(拍手)
Mさんの研究テーマは「現代における自他の関わりの在り方について ―「いき」をきっかけとした考察―」。
現代社会では「孤独」や「異質な他者の排除」など、人間関係にまつわる問題が数多くありますよね。そうした問題に私たちはどう対処すべきなのか?かつて江戸町人にとって大切な生活規範だった「いき」という価値観を出発点として、昔ながらの価値観を現代の自他関係へ応用させることを試みた論文です。
九鬼周造や和辻哲郎などの日本人哲学者の著書を読んで、日本的価値観に関心をもったというMさん。「いき」を単に昔の思想として研究するだけでなく、その現代的意義をも明らかにしたところが非常に面白く、私百井も興味深く拝読しました…!
ちなみに指導教員の衞藤吉則先生は、以下の点を高く評価しました!
・江戸時代の文化だけでなく仏教の諦念思想にまでさかのぼって「いき」の源流を読み取り、それを構造的に描き出したところが素晴らしい!
・九鬼周造だけでなく、九鬼と関係が深かった岡倉天心の「共感思想」をも「いき」と結び付け、日本思想的な「寛容」の哲学を示したところが素晴らしい!
・Mさんの深い哲学的洞察と洗練された文章表現が素晴らしい!
私、百井も九鬼周造の『いきの構造』という本が大好きで、九鬼の思想を応用して論文を書いたこともあるんですが、Mさんの卒論のような面白い仕上がりにはできませんでしたねえ。
今年は一部オンラインで開催された卒業論文優秀者発表会。「各分野の皆様の素晴らしい発表を拝聴できたのは貴重な経験でした。オンラインと対面を併用しての発表は初めてで少々緊張しましたが、これもいい経験であったと感じます」とMさんは仰いました。
Mさん、本当におめでとうございます!!
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